Razer Synapse版のTHX Spatial Audioは2023年のアップデートで較正機能が削除され、再び実装されるとのアナウンスはあったものの未だに実装されていません。
そこで、THX Spatial Audioのプリセットファイルを編集することで仮想スピーカーの位置を調整してみました。

  1. C:\ProgramData\THX\USB\1532\0529 (BlackShark V2の場合) のバックアップを取る
  2. C:\ProgramData\THX\USB\1532\0529 内にある各モードに対応する.jsonファイルをメモ帳等で開く
  3. “emitterPositions” 内の各項目を編集する (“L”: 左、“R”: 右、“C”: 中央, “Lfe1”: サブウーファー、“Rs”, “Ls”: サラウンド(斜め後ろ)、“Rss”, “Lss”: サイド(真横)) (最初の数字は方角、2番目の数字は仰角、3番目の数字は1とする)
  4. 編集したファイルをいったん別の場所に保存する
  5. 保存したファイルを 0529 フォルダに上書き(管理者権限が要求される)
  6. Razer Synapseを終了する
  7. レジストリエディタで HKEY_CURRENT_USER\Software\THX\SpatialAudio\UserState 内の全項目を削除する
  8. PCを再起動する

これでTHX Spatial Audioの仮想スピーカーの位置を変更できました。
仰角(縦位置)も変更できるので、斜め上や斜め下から聞こえてしまう場合もこれで補正することができます。
なお、最適な値は個人によって異なるので試行錯誤する必要があります。

その場合、 HKEY_CURRENT_USER\Software\THX\SpatialAudio\UserState 内の現在のモードに対応する値を編集し、モードを切り替えてから戻すと一時的に仮想スピーカーの位置を変更できるので探っていきましょう。